ずっと傍に‥。

涙‥

彗斗side

月夜の明かりのせいか…陽菜の泣いてる顔がちょっとだけ見えた。


…綺麗に泣くんだな。


不謹慎だけどそんなことを思った。でも…アイツの為に泣いてるんだって思うと悔しくてたまらない。


緋呂…
お前もこんな気持ちだったのか?


こんな風にずっと一人で苦しんでたのかよ?


「ごめ…ん。ありがと。緋呂くんどこ行ったんだろうね…?」

「さぁ…。」


緋呂が今どこで誰と一緒に居るのか俺は知ってる。

だってさっき緋呂に会ったから。その隣には梨華も居た…


二人はきっと付き合ってる。じゃなきゃ手を繋いだりなんかしない。


幸せそうに笑う緋呂を見て内心俺は複雑だった。


…陽菜を想うと胸が苦しい。


君はまた泣くに決まってんだ。緋呂の幸せそうに笑う姿を見て涙を流すんだろ?


ふと空を見ると雲がかかってあまり星が見えなかった…


まるで今の俺のみたいだ。

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