ずっと傍に‥。

「緋呂のことはさ…諦めろよ。」


俺は呟くようにそう言った。

陽菜は俯いたまま首を縦に振ろうとしない


「分かってんのか?緋呂は…」

「分かってる…。でもどうすればいいの?そんな簡単に諦めらんないよ」

「陽菜が辛い思いするだけだよ?前にも言ったけどアイツは梨華しか見えてねぇの!」

ふと目線を床に向けるとポタポタと所々に雫が落ちていた。

それを見てやっと陽菜が泣いてることに気付いた。



< 111 / 272 >

この作品をシェア

pagetop