ずっと傍に‥。

「ごめん」



俺は躊躇することなく陽菜ちゃんにそう言った。



変に期待を持たせたら陽菜ちゃんが傷つく…
その辛さは俺が一番知ってる。



だから俺は「ごめん」とハッキリ陽菜ちゃんに言ったんだ。



陽菜ちゃんの横を通り過ぎた時チラッと横顔が見えた。



…陽菜ちゃんは泣いてた。
声を押し殺して泣いてた。



俺は見て見ぬふりをして屋上を後にした。



俺は何も出来ないから‥




悔しいけどそれはどうしようもないんだ…



俺は少し鬱になりながらも梨華が待っている下駄箱へ向かった。



< 169 / 272 >

この作品をシェア

pagetop