ずっと傍に‥。

急いで着替えて急いでご飯を食べる…



早く梨華に会いたかった。
早く…早く……



「緋呂!遅…」



梨華を見るなり、俺は力いっぱい梨華を抱き締めた。



居て良かった…ってそんな風に思いながら。



もう二度とあんな夢を見るのはごめんだ…。



「どうしたの?」


「梨華…どこにも行かないで。」



情けない声を出しながらそう言った。



「いなくならないよ?緋呂の傍にずっといるから…」



俺の背中を優しく撫でながら梨華はそう言った。



「ありがとう」と小さく呟いて梨華の体をソッと離した。


俺の目をジッと見る梨華。
俺だけに笑顔を向ける梨華…


…大丈夫
梨華はずっと俺の傍にいてくれる。



不安になることなんか何一つないんだ…



俺は自分にそう言い聞かせるように心の中で呟いた。



< 176 / 272 >

この作品をシェア

pagetop