ずっと傍に‥。
「行くぞ」
そう言って私の手を引っ張りどこかへ向かい歩き出した。
「彗斗?ねぇってば…」
あたしがそう聞いても彗斗は黙ったままだった。
きっと怒ってるんだ…
いつもならすぐに振り向いてくれるのに。
そんなことを思いながらひたすら歩く。
学校からだいぶ離れたところで彗斗は止まった。
あたしも立ち止まる。
周りを見渡すと車も人もいなくているのは私と彗斗だけだった。
遠慮をしているのかさっきまでうるさいほど鳴っていた虫はいない。
「彗斗?」
「ばーかっ!!!」
いきなりなにを言い出すかと思えば私に背を向けて大声で「バカ」を連呼していた。