ずっと傍に‥。

「緋呂くん…」



学校の校門に着くと楽しげに梨華と話す姿が目に入った


緋呂くん…
緋呂くん……



何回叫んでも届くはずなんかないのに。
振り向くわけないのに…



また泣きそうになった。



「…大丈夫か？」


「うん…！」



心配かけたくなくて私は無理矢理笑顔を作った。


作り笑いなら昔から得意。
昔の自分を振り返りながら…ちょっと惨めに思った。



「作り笑いすんな…頼むからそんな風に笑うなっ！！見てらんねぇ。今の陽菜の笑顔は大嫌いだ」



そう言い残して彗斗は先に教室へと向かって行った。


…気付いてたんだ。



私のことちゃんと見てくれてたんだね。