ずっと傍に‥。


だんだん近付くにつれて座り込むようにして雪の上に座っている人影が目に入った。



何時間ぐらいそこに居たんだろうか。
頭の上は雪が積もっていて長時間座っていたんだとすぐに分かった。



「あ…あの~…」



ゆっくり振り返ったその人は私の好きな人だった。
でも…ボンヤリと見るだけで私が誰だか分からない様子。


「緋呂くん…?」


ゆっくり名前を呼ぶと緋呂くんはボソボソとした声で私の名を呼んだ。


きっと周りがシンと静かだったから聞き取れた緋呂くんの声。



私はソッと緋呂くんに近付き撫でるかのように雪を払った。




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