ずっと傍に‥。
緋呂くんの背中を時折気にしながら緋呂くんの後ろを歩く。
教室を出たきり、一言も会話を交わしていない。
きっと言いにくいんだと思う。そんな緋呂くんの気持ちを察して私は何も言わなかった。
「…ブッ。痛っ」
急に緋呂くんが止まるもんだから私は思い切り緋呂くんの背中にぶつかってしまったのだ。
「陽菜ちゃん…俺ダメだった。」
鼻を片手で押さえながら顔をゆっくり上げる。
緋呂くんは空を見上げて呟くように言った。
「緋呂くん…」
「ハハッ…こうなることは分かってた。でも後悔はしてない。逆にスッキリしてんだよな!」
そう言って緋呂くんは振り向いて笑顔を見せてくれた。