ずっと傍に‥。



久し振りに全力で走ったせいか俺は息切れしていた。

地べたに座り、息を整える。

「ありがとう…」


か細い声でお礼を言う女の子。


…やっぱり


カップルなんかじゃなかったんだ…


「助けて良かった?」


俺がそう聞くと彼女は笑顔でうんと頷いた。


…そういえばこの子どっかで。


あ!確か同じクラスの゛若葉陽菜゛って子だ!


これが陽菜ちゃんとの出会い。

どうしてあの時助けたのか…今ならなんとなく分かる。



陽菜ちゃんは梨華に似ていた。助けて欲しいような目で俺を見る陽菜ちゃんが…どことなく梨華に似ていたんだ。



梨華も本当は助けて欲しいんじゃないか…って
やっぱ助けられるのは俺しかいないって…


陽菜ちゃんの笑った顔を見ながらそんなことを思った。












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