ずっと傍に‥。
「…梨華。」
確かに男はそう言った。
俺はなんだか嫌な予感がして、バレない程度に廊下を覗いた。
そこにはキスを交わす梨華と梨華の彼氏らしき男。
俺はそれ以上見たくなくて、首を引っ込め壁にもたれた。
出来るならあんな光景見たくなかった…
他の奴とキスしてる姿なんて見たくなかった。
「梨華…」
そう呟いても梨華が戻って来るはずはなくて‥
空しさが心の中に広がるだけだった。
「クソッ…!」
ふと教室の窓から外を見渡せば、仲よさげに歩く梨華の姿…
俺はそんな梨華の姿を何も言わずジッと見つめていた。