守りたい
「「「キャアアアアアアアアアアアアア!!!」」」
女の子の歓声が廊下で聞こえる。
ほのかちゃんと私はあまりの歓声に耳を手で覆う。
「うるさい」
ほのかちゃんはうざそうな顔をしてどんどん先に行く。
「ほの…か…ちゃん…」
ほのかちゃんが私の腕を引っ張っているから当然私も人ごみの中にいくわけで、次々と女の子にぶつかっていく。
「きゃあ!」
ほのかちゃんと手が離れて、人がいないところに押された。
「……うさ…?」
聞き覚えのある落ち着いた声が聞こえて振り向く。
黒色のアシメでかっこいい男の子が私を見つめる。
「優…?」
男の子は小さく微笑み、私の腕を引いて真っ直ぐ廊下を歩いていく。
人がいなくなった場所で私は歩くのを止めた。
「優…なの…?」
そう聞くと小さく頷き、私を抱きしめた。