記憶 ―黄昏の蝶―
「――…違う。この星の住民は、誰もが知らない内容だ。カロリスの果てに行っても無駄だ。そこに答えはない…」
「……何?」
「だが、俺が分かってるのは…。俺たちも知らない、大きなこの世界で…それは必要だった存在…。逃げた彼を取り戻す為に…、今、広い範囲の星たちが、あの白い星に引き寄せられてるって事だ…」
この星だけじゃない。
世界が変わってしまう。
世界が、
終わってしまう。
「……じゃあ…お前は、それをどこで聞いたと言うんだ…」
「……はは…」
法皇の問いに、
俺は少し困って笑った。
「……蝶々。…信じるか?」
信じられないよな…。
法皇もカイトも、
否定も肯定も出来ずに、ただ押し黙っていた。
「話を元に戻すよ。このままだと、あの白い星に完全に引き寄せられる前に、この星は死滅…」
「…何か回避する方法ないの?話が急に非現実すぎて、俺には全然分かんないけど…。何か…もう…脳ミソ容量オーバー…」
カイトらしいその言葉は、
こんな重い話の最中だというのに、俺に安心感を与えた。
「1つだけ、ある。」
俺は、
この先の話をする為に、
ここに来た。