記憶 ―黄昏の蝶―


俺は赤ん坊ん時に「星を渡った」らしいから、全然実感はねぇし、よく分かんねぇけど…

あの白い星は、
一体…何なんだよ…。



『…ラディスの名を継ぐ者よ…白き星の名は、ヴァン=ラディス…』

『…それは…世界の起源…』


「ヴァン=ラディス」…?
世界の始まり…?


白い蝶々がさ、
俺の胸の中に入ったんだよ。

その時に…
頭の中に「映像」が流れたんだ。

莫大な情報過ぎて…
全然…
処理出来てねぇんだけど…



『…白い蝶はそなたの化身…』

『運命を紡ぐ者よ…時期に全てを受け入れるだろう…』


あっそ。
教えてはくれねぇ訳か。

ちょっと待てよ。
は?白い蝶々が俺の化身?



『…その身体は魂の器。氷の中に身体を置き、魂は「蝶」となり世界を巡る…』

『世界を巡り、人々の運命を紡ぐ…、それが役目なのだ…』


人々の運命を…?
俺が「蝶々」に姿を変えて…?



『…時空の違う世界を渡るには必要な物がある…』

『…このままでは、その「身体」が朽ちる。「永遠」を手に入れなければならない…』


「永遠」だって…?
そんな物…、
どこで手に入れるってんだよ!

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