記憶 ―黄昏の蝶―


俺だって、
皆と同じ人間だからさ。

たまに寂しくなるんだよ。


広大な花畑に囲まれても、
爽やかな風に吹かれても、

青い高い空を仰いでも、
その空を自由に飛び回れても、


「独り」なんだよ。


どれだけ天国かの様な光景に包まれようと、地獄に独りで居る様な孤独感を味わう。


俺の「永遠」に、
いつ終わりが来るんだろうか?


……分からない。

人の運命は紡いでも、
「自分の運命」は見る事が出来ねぇんだ…

それは、
幸いなのかもしれない。


俺は希望は捨てない。

いつか帰る。

俺を待っていてくれる人が、
あの水上の街には居るから…。


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