記憶 ―黄昏の蝶―


「じゃあ、あたしはミートパイに取り掛かりますか!あんまりお父さん困らせちゃダメよ~?皆、仲良くね!」

「「は~い!」」

気持ちのたかぶる子供たちの返事に、本当に分かったのかしら…と呆れ顔で笑うビビ。

有り難うな…

そう目を細めて、
俺は笑った。


ビビは、
俺の一番の理解者。

数年前、
俺が協会の一員になる事を、
一番に反対し、
一番に俺の心配をしてくれた。

それは今も同じ。


思いやりのある…
しかし、時たま怒りっぽく。
気が強く…
意外と計算高い…

俺の、
大切な…君。


正直、気高い「高嶺の花」のままで居て欲しい。
心からの彼女を知る存在は、じぃさんと俺だけで良いと思う。

俺の一番の理解者。
俺も、彼女のそれで在りたい。


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