初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「じゃあまた明日ね。気を付けて帰ってね」
「うん。また明日」
バイバイ、と手を振って、いーちゃんと別れる。
いーちゃんは私と違って明るくて、誰とでも友達になれる。
新しいクラスにももう馴染んでて私以外の友達はたくさん。
今みたいな時、ちょぴり寂しさを感じてしまうけど―…仕方ないってわかってる。
でも、いいんだ。
新しい友達が出来ても、何時も私を気づかってくれて友達でいてくれるいーちゃんが大好き。
「帰ろ……」
今日はそんないーちゃんも居ないし、何時までも教室に居ても仕方ないし、帰ろうって思う。
鞄を持って教室を出て、とぼとぼと帰る。
学校を出てもとぼとぼと。
暗さ全開。
「カラオケかぁ~…」
いいな。みんなの前で唄うのは無理だけど、今度いーちゃんを誘って行ってみたいな、なんて。