初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「キャーッ!」
と教室の中からも外からも沸く黄色い声。
クラスの男子も女子も視線が同じ方向を向いてる。
教室の出入り口を見てるみたい。
でも、みんなの目線の先までは確認できない。
先生が来たくらいじゃこんな騒ぎにならないし、こんな声が沸くっていうと思い当たるのは昨日の先輩達。
もしかして、月島先輩が……?
なんて一瞬、思ってみたけど、三年生の月島先輩が二年生の教室までわざわざ来ることってない。
みんなが何に騒いでいるのか気になるけど、それよりも私は出回ってる噂が重い。
やだな。
どんどん気分が沈んじゃう。
そう思って、私は机に顔を伏せる。