初めての恋に溺れる人魚~my first love~

席に着く私を見下ろす人物は―…黒い髪に、切れ長の黒い瞳、整った顔。

今、目の前に立っているのは、


「つきし……ま……」


月島先輩。

机に座った状態で見上げる月島先輩はスラッと伸びた身長があって、何時だったか、いーちゃんに見せてもらった雑誌に載っていた男性モデルみたい。

間抜けに開いた口を閉じるタイミング、すっかり失ってる。

すると、


「お前さ、」


と月島先輩が口を開く。

もしかして今、私に向かって話しかけてくれてるの……?

月島先輩が私に向かって言葉を発した瞬間、さっきまで静まり返っていた空気が一変して、


「イヤ~~~ッ!!」


という抗議を前面に現した女子の声が響き渡る。



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