初めての恋に溺れる人魚~my first love~
月島先輩はそんな外野の声をうざったそうにして、眉間に皺を寄せる。
そして、また私を見て、
「今日の放課後さ、ちょっと付き合ってくんない?」
と口を開く。
〝付き合って”という言葉に「へっ……?」と、思わず変な言葉を発してしまう私。
だって〝付き合う”って……!?
驚きで思わず、愛用の伊達メガネがズリおちそうな勢い。
本当に私に言ってるの……?
私の直ぐ後ろに誰かいるとか……?
いや、でもやっぱり月島先輩と目が合ってる……!
私はますますパニック状態で何も言葉を返せないけど、
「場所は―…今此処で言うと、なんかメンドそうだから、またホームルーム終わったら迎えにくるわ」
と続ける月島先輩。
やっぱり私は何も答えられないけど、月島先輩は、「じゃ」と言うと私の席を離れていく。
月島先輩の進行方向は一瞬で花道が出来上がる。
淡々と言葉を残して、教室を出て行ってしまった月島先輩。
今のはどういうコト……!?