初めての恋に溺れる人魚~my first love~
月島先輩に腕を持たれたまま教室を出て、階段を下りていく。
歩幅も歩くスピードも違いすぎるから、まるで引きずられてるみたい。そんな光景を見て、
「え……月島先輩……!?」
「女と一緒……??」
と周りの生徒がザワついてる。やっぱり注目の的。
下駄箱に着くと月島先輩は私の腕を放して、やっと解放された……って思ったけど、安堵したのも束の間。
「靴」
「え……」
「急いで履け」
無表情での命令。私もとにかく急がなきゃとローファーを履く。
「履いた?」
「は、はいっ」
「じゃ、行くぞ」
「っ」
月島先輩の手が今度は手首に。