初めての恋に溺れる人魚~my first love~

結構大きな声が聞こえたから、


「へっ……!?」


そんな間抜けな声が出てしまう。


「お嬢さん、あんただよ。あんた」


「わ、私……?」


「そう、あんた」


見ると、空き店舗という張り紙が貼られた店の前に黒づくめの女のヒト。この辺りは空き店舗が多くて、人気も少ない。

私に声をかける女のヒトは畳一枚分位のスペースをとって、天然石、とか、アクセサリーとか……そんなのを売っているっぽい。

露天商、って言うのかな……?

けど、どうして私は呼び止められたのか。

私、何かした……??理由が分からないだけに、おどおどとしてしまう。

と、


「あんた今、人生が面白くないだろ」


なんてズバッと言われてしまう。


< 12 / 421 >

この作品をシェア

pagetop