初めての恋に溺れる人魚~my first love~
結構大きな声が聞こえたから、
「へっ……!?」
そんな間抜けな声が出てしまう。
「お嬢さん、あんただよ。あんた」
「わ、私……?」
「そう、あんた」
見ると、空き店舗という張り紙が貼られた店の前に黒づくめの女のヒト。この辺りは空き店舗が多くて、人気も少ない。
私に声をかける女のヒトは畳一枚分位のスペースをとって、天然石、とか、アクセサリーとか……そんなのを売っているっぽい。
露天商、って言うのかな……?
けど、どうして私は呼び止められたのか。
私、何かした……??理由が分からないだけに、おどおどとしてしまう。
と、
「あんた今、人生が面白くないだろ」
なんてズバッと言われてしまう。