初めての恋に溺れる人魚~my first love~
そんな事を考えていると、
「それよりも海音ちゃん、俺の事知ってるんだ?」
と芹沢先輩がソコに反応を示す。
「も、勿論です……先輩達、凄い人気ですから……」
本当はいーちゃんに聞いて、つい最近知ったばかりなんだけど……そんな答え方をしてしまう。芹沢先輩は、
「やっぱり~?だよね~」
と軽い口調で上機嫌。
けど、今はそんな会話をしてる場合でもない。
今回の件、断らなきゃ……!って思う。
「あの……っ、とにかく私は人前で歌うのなんて無理なんで……ましてやバンドだなんて―…だから、芹沢先輩がダメならもっと他のヒトで……お願い……します」
断るのもニガテだけど、こればかりは言っておかないと大変だ。
「う~ん、他と言われてもなぁ~…何だかんだで俺もオトコ三人よりも女の子が居たほうが良いかなと思うし~…」
「でも、それなら余計に私なんて地味な女じゃ見栄えが良くないですっ!」
だって、先輩達みたいな輝かしいオーラを持つ人達と私じゃ全然釣り合わない。