初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「お前、歌うのは嫌いじゃないだろ?」


「は―…い」


「さっき歌ったのだって、気分はわるくなかっただろ?」


「はい……」


「今日は俺達だけの前だったけど、もっと大人数の前で歌ったらもっと気分良いよ」


「はい……」


「じゃあ、期間限定でいいからバンドの参加決まりな。途中での撤回、脱退はなし」


「はい……」


「おし。じゃー決まり」


「はい……」


って、落ち着いた雰囲気に流される様に、先輩の言葉に〝はい”ばかり言っていた私だけど―…

今、会話の流れが―…あれ?


「は、はい……?」


慌てて聞きなおした時には既に遅い状況。


「何か解決?さすが響~」


感心する芹沢先輩。と、


「誘導尋問みたいだな……」


若干、呆れ気味に言う小栗先輩がいて、


「じゃあ、早速明日から練習始めるか?」


なんて会話に続いてる。

呆気にとられている私は完全に置いてけぼり。



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