初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「ちょ、ちょっと待ってください!今のは……!」


私が慌てて前言撤回をしようとしても、


「まぁまぁ海音ちゃん、これも何かの縁だって。決まりでいいじゃん」


やっぱり芹沢先輩は楽観的に収めようとする。それでも私が精一杯の勇気を出して、


「でも……!」


と、拒否しようとしたけど―…


「途中での撤回と脱退はナシって、今、約束しただろ?」


「……っ」


月島先輩に、とっても低い声で言われてしまう。しかも、


「決まりだよな?」


と、更に念を押される。


「決まり……なんて……」


「決まりだよな?」


「でも……」


「いいよな?」


無表情で何度も確認されて―…


「~…」


だめ。

もうこれ以上、断る勇気はない……って思ってしまった。



< 134 / 421 >

この作品をシェア

pagetop