初めての恋に溺れる人魚~my first love~
思っている事、そのまま顔に出ていたんだと思う。
「あ~その反応じゃ、知らないんだ?響の父親ね、音楽関係の仕事をしてんの。それも結構な有名人」
と芹沢先輩が私に説明してくれる。
その言葉だけでも、何か凄そうな雰囲気が伝わってくる。
そう言えば、芹沢先輩も小栗先輩も家柄がなかなか良さそうなことをいーちゃんが言ってたな……って思い出す。
そして、
「で、実は響もさ、前は―…」
と、芹沢先輩がまだ何か話そうとしてくれたけど、
「おい、そろそろ出るぞ」
「え、もう出るー?」
「ああ、行くぞ」
「だって。海音ちゃん」
「は、はい……」
月島先輩が芹沢先輩の声に被せる様に言って、その先は聞けずに。