初めての恋に溺れる人魚~my first love~

思っている事、そのまま顔に出ていたんだと思う。


「あ~その反応じゃ、知らないんだ?響の父親ね、音楽関係の仕事をしてんの。それも結構な有名人」


と芹沢先輩が私に説明してくれる。

その言葉だけでも、何か凄そうな雰囲気が伝わってくる。

そう言えば、芹沢先輩も小栗先輩も家柄がなかなか良さそうなことをいーちゃんが言ってたな……って思い出す。

そして、


「で、実は響もさ、前は―…」


と、芹沢先輩がまだ何か話そうとしてくれたけど、


「おい、そろそろ出るぞ」


「え、もう出るー?」


「ああ、行くぞ」


「だって。海音ちゃん」


「は、はい……」


月島先輩が芹沢先輩の声に被せる様に言って、その先は聞けずに。



< 137 / 421 >

この作品をシェア

pagetop