初めての恋に溺れる人魚~my first love~
小瓶の中を見ると、真珠の数は残り四つになっていた。
あんなに怪しいって疑っていても、もう三つも試してしまってる。
それは、やっぱり願いをかけた事が全てと言っていい程、叶っているからで―…
一粒だけ、中身を取り出す。
瞳を閉じて考えるのは、
〝少しでもいいから、可愛くなりたい”
〝先輩と並んで歩いても不自然じゃない様に、可愛く”
そんな願い。
今までは目立ちたくなかったから、ダサくて良かった。見栄えがしなくても良かった。
だけど今は、このままだと先輩達に迷惑がかかってしまう。
それに私―…
ぎゅっと強く真珠を握りしめた私。そして、海へと投げ入れた。
今日も海は何時もの海。