初めての恋に溺れる人魚~my first love~
何時もこんなヒト居ないのに、どうして今日は居るのぉ??
心の中で大きく嘆く私。
そんな私を無視して、
「これはね、願い事が叶う真珠なんだ」
と露天商のおばさんが続ける。
「ね、願い事……ですか……?」
「そう」
おばさんはゆっくり、大きく頷く。
「ただしね、願い事は七つだけ。そう、ちょうどこの小瓶に入っている真珠の数さ。これを強く握り締めながら願い事を唱えたあとに一粒、海に投げ入れるんだよ。そうすれば、あんたが願った事が現実となるのさ」
ペラペラと説明してくれるおばさん。
え?願い事が叶う真珠??
そんなのあるの??
いや。いやいやいや……
そんなことがあるわけ―…
「そんなことがあるわけない、って、あんた今そう思ったろ?」
すかさず、鋭い目つきで私にそう言うおばさん。
思ったろ?って―…
普通はみんな思うよね……?