初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「響の親父さんは結構名の知れた作曲家なんだ。お袋さんも、もともとミュージカル女優だし。今は表舞台には立っていなくて親父さんの付き人みたいな感じらしいけど」
「作曲家……女優……」
小栗先輩からの説明に、もうね、ただただ凄いって思うしかない。
私のパパなんて、普通にサラリーマンだし……
防音室の扉の前で突っ立っていると、
「ほら、これ」
月島先輩が私に数枚の紙を差し出した。
これって―…
「譜面……?」
五線に音符が並んでる。それに、英語も並んでるし……
じっと譜面を見ていると、
「せっかくだからオリジナルでいくぞ」
と月島先輩に言われる。