初めての恋に溺れる人魚~my first love~


「じゃ、とりあえずまた後で顔出しにくるから頑張って」
 

そう月島先輩は言い残すと、さっさと部屋を出て行ってしまう。


「……」


トレーニングマシンに囲まれて、ぽつんと取り残された私。

それにしても私ってバカっ!

一瞬でも変な想像して……月島先輩に〝勘違い女”って思われてたらどうしよぉ~…

はぁ、と溜め息をついて、用意してくれたジャージに着替える。

まさか運動しなきゃいけないなんて予想外だ。

私、ちゃんと出来るかな……

やらないと、また怒られちゃうのは目に見えてる。

先輩も少しずつ無理のないペースでいいって言ってたし、私の出来る範囲から頑張っていこう。

ライブの事も、形はどうあれ〝はい”って返事しちゃったんだからやるしかない。

ユリさんが言っていた通り、これも何かの〝きっかけ”かもしれない。


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