初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「あんた、このチャンスを逃すと、ぜっったいに後悔するよ」
じっと私を見て、強く言うおばさん。
そんな……ことを言われても……
と、私は呆然と立ち尽くしてしまう。
これって、変な商売の押し売りにあってるのかな……?
きっと私が、断れなさそうな気の弱い人間って思ったから、狙いをつけられたの?
〝誰か、助けて~…!”
って、周りをちらっと見るけど、こんな時に限って人通りは全くない。
どうしよ……本当にこわい……
というか、本当に困る……
どうしよう……
お財布の中……確か、三千円は入ってたよね……?
震える手でお財布を取り出して中身の金額を確認する。そして、
「わ……わかりました……か……買います」
と言ってしまった私。
とにかく、この状況を抜け出したくて。それだけだった。普段なら1980円なんて学生の私にしてみれば結構な金額だけど……
だけど、この時ばかりは、安く感じてしまった……