初めての恋に溺れる人魚~my first love~
〝可愛い”は、やっぱり慣れない言葉。
でも、こんな風に褒めてくれると悪い気分はしない。凄く嬉しい。
例え、お世辞であっても嬉しいな―…
芹沢先輩の言葉に少しだけ舞い上がっていると、
「もう、こんな時間か―…」
腕時計を確認しながら、小栗先輩が言う。
「どうする、響?今日はこの辺にしておく?」
「そうだな。今日は顔合わせみたいなものだし」
「そろそろ海音ちゃん、返してあげないとな」
「そうだな……」
ベースを置く、月島先輩。
どうやら今日の練習はおわりみたいなのかな?
私は身体動かして、シャワーを浴びただけだけど……
「じゃあ俺が海音ちゃんを送る係り~!」
ハイハーイと元気よく手を挙げる芹沢先輩。