初めての恋に溺れる人魚~my first love~
助かった―…
二人組の姿が見えなくなって安心したのか、腰が抜けるように私はその場にヘタってしまった。
そんな空気の抜けた風船みたいな私を見て、
「大丈夫か?」
と、月島先輩が声をかけてくれる。
「大丈夫……です」
そう返事をしながらも声は震えてる。
ドクドクと波打つ鼓動を感じながら、月島先輩を見上げると、
「―…」
無表情だけど、あの男のヒト達と揉めている時の様な怖さは感じない。
少しだけ、ほっとする。
「あの……でも、月島先輩がどうしてここに?」
月島先輩の家がある住宅地からは少し離れてる。
「別に」
とだけ答える月島先輩。
そんな雰囲気で言われたら、何だか気まずい。