初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「どうしよ……コレ」
はぁ~と、一つ重いため息が漏れる。そして、
ザザーン……ザザーンッ……
と、私のため息を波音が消し去る。
あれから、あのまま家に帰る気分じゃなくなって、向かっていた足を何時もの場所へと変えた私。
〝何時もの場所”
それは、私の家から一番近い距離にある浜辺。
何時からかはっきりとは覚えていないけど、小さい頃からイヤなことがあったりすると、決まってこの浜辺に来る。
波にさらわれない場所に靴を脱いで、海水に足をつける。
肌で波を感じながら、ゆっくりと歩いていく。
しばらくは浅瀬が続いていて、膝のところに波がくる程度だから大丈夫。