初めての恋に溺れる人魚~my first love~
すると、一階で物音がした。
パパが帰って来たのかな……?
部屋を出て、階段を下りていく。そう言えばパパ、朝から出かけていたみたいだから顔を合わせてなかったな、と思う。
私の家は父子家庭だから、平日は殆ど私がご飯を作っているけど、休日はパパが作ったり、お弁当だったり、それぞれ勝手に食べたり…という感じ。
リビングに行くと、パパがテーブルにお弁当らしきものを置いているのが見えた。
「お弁当買ってきたの?」
そう聞くと、
「ああ、海音もまだだろうと思って、ちゃんと二つ買ってきたよ」
そう言って、パパが私の方を向いた瞬間、
「な、何だ、海音……その髪は……」
と、輪ゴムを外そうとして持っていたお弁当をおとしそうな勢いで私を見て驚いている。
「?」
と、思いながらも、「あっ」と、すぐに察する。