初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「お弁当―…食べなさい」
「はい……」
パパに言われてテーブルに着く。
まだ学生の分際でパーマやカラーリングしちゃったから怒ってるのかな……
でも、カラーリングは素の地に近い色にしたってユリさんは言ってたし、この位の色ならクラスメイトや街で見かける同年代のコ達だって染めてる。
だけど、今までの私からすると派手に見えても仕方ない。
離婚をして、男手一つで私を育ててくれたパパ。
真面目で寡黙で、何時も必要以上のことは言ってはこないけど、ちゃんと一人娘の私を心配してくれているのがわかるから、あまり心配をかけたくない。
それに、髪の色も瞳の色もママ譲りだから、パパにとっては私が地味でいるほうがいいのかもしれない。
そんな事を考えながら、お弁当を口にする。
やっぱり、なるべく美容室に行く前に近い姿でいよう。
そう思った。