初めての恋に溺れる人魚~my first love~


月曜日。

目が覚めると何時もの起床時間よりも時計の針が進んでいた。


「ち、遅刻……っ!」


ぼーっとしていた頭が一気に目覚める。

急いで制服に着替えてからリビングに下りると、パパはもう出勤してしまったみたい。

そうだ、今日は出張で朝早いから朝食いらないって言ってたんだっけ……

そう思って少しだけほっとする。

顔を洗って、朝食は抜きで家を飛び出す。

ダッシュで一刻も早く学校に着きたいけど、もともとの運動オンチに月島先輩から指示された体力トレーニングとやらで筋肉痛が加わって全身が痛い……

日曜日も自分の家で出来る範囲をこなして、かなりバテてしまった。

そんな感じで慣れないことをしてしまったから、寝坊しちゃったのかもしれない。

走りながら腕時計を確認すると、朝礼に間に合うか間に合わないかのギリギリな時間。

もう諦めて一時間目から出ようかなぁ、なんて考えも過ぎったけど、高校一年生になってまだ無遅刻無欠席な分、勿体無い気がしてしまう。

とにかく走って、走って―…


朝のホームルーム一分前に教室に到着。



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