初めての恋に溺れる人魚~my first love~


「ちょっと来て」


朝礼が終わって担任が教室を出て行くと直ぐに小谷さんが私に声をかけてきた。しかも、


「急いで、一時間目始まっちゃうでしょ」


と、前園さんも加わって、私を教室の外へと連れ出す。


「……」


二人とも無言のまま廊下に出ると階段を上がって、屋上へ繋がる階段の踊り場まで連れてこられてしまう。


「あ……あの……」


おそるおそるな口調で私が用件を聞こうとしたけれども、それよりも先に、


「どういうことか説明してほしいんだけど」


と、小谷さんが腕組みをして私を睨みつけている。



< 229 / 421 >

この作品をシェア

pagetop