初めての恋に溺れる人魚~my first love~
何だか一気に寂しい気持ちになって、
「それじゃあ、授業に行くので―…失礼します」
ペコリともう一度お礼をして階段を降りようと、一歩足を進めた。
すると、
「おい」
と、月島先輩に腕を捉まれて身体を引き寄せられる。
〝え……”と、心の中で呟いた時には月島先輩の顔がとても近くにあった。
「目……」
私が目をパッチリ開けたまま固まっていると月島先輩が呟く。
目……?
「今日はダテじゃないんだな」
そう言うと月島先輩がパッと手を離して私の腕を解放する。
び―…びっくりした……
一瞬、またキスー…されちゃうのかと思った。
自分の心臓が物凄い音を立てて動いているのがわかる。