初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「ほんとうは……今日も眼鏡はしてこようと思ったんですけど―…忘れちゃって……」


「何で?」


「えっと……寝坊を―…」


「そうじゃなくて、わざわざ掛けなくてもいいメガネ、もうする必要ないだろ?」


「でも……っ」


「俺は、今の方が良い」


「……っ」


ドクンッ……って今、いっそう胸の鼓動が大きく鳴った。

眼鏡をしないほうが良いって、言ってくれたんだよね?

ポワーっとした気持ちでいると、


「放課後」


とトーンを上げた月島先輩の声がして、


「は、はい……っ」


と、慌てて反応する。



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