初めての恋に溺れる人魚~my first love~
どうして、こんな非科学的な願掛けに必死になってるんだろう、そう思ったりもしたけど、余計な思考よりも身体が本能のままに動いているみたいだった。
ガラスの小瓶から真珠を一粒取り出して、
〝月島先輩の彼女になりたい”
ぎゅっと強く握り締めて願いをかけた。
願いが叶う事を祈って、勢いよく海の中へと投げ入れる。
海は何時もと変わらない。
だけど、私の手は震えてる。
〝彼女になりたい”
だなんて、とんでもなく大胆な願い事をついにしてしまったから。
今までの願い事以上にドキドキしている私がいる。
月島先輩の事を知って、まだ数日しか経っていないのに〝彼女になりたい”だなんて、図々しいよね。
しかも、私みたいな住む世界が違う人間から想われても迷惑なだけだよね。
真珠の力で私なんかが月島先輩の彼女になるなんて嫌だよね。
でも……
この真珠の力が本物って立証されてるわけでもないし〝おまじない”をしたって思えばいいよね……?
「もぉ~…」
思い切って願い事をした割には、心が揺れて切ない。