初めての恋に溺れる人魚~my first love~
それに、今とても気になる事がある。
ホウジョウさんから出た、“アヤ”って名前。勿論、女のヒトの名前だよね?
ドキドキ高鳴ってばかりいた胸が一気にざわつきはじめる。
「あ……あの、」
ホウジョウさんが見えなくなると、私はおそるおそる口を開いた。
「何?」
月島先輩は再びテーブルに着くと取り上げた携帯を私に渡し、残っていたオレンジジュースに口をつける。
また良くわからない男性から助けてもらったみたいで、
「その……私のこと、カノジョっていう風に言って助けてくれるのは嬉しいんですけど―…先輩に迷惑かけるんじゃないかと―…」
ギュッと先輩に取り返してもらった携帯電話を握りしめて言った。