初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「ま、お前が嫌だって言うなら無理にとは言わないけど」
先輩の言葉に、
「……っ」
ぶんぶんと首を振る。
「嫌じゃない……です」
嫌な訳ない。
「嬉しいです……」
そう言って先輩を見ると、優しい眼差しで私を見てくれていた。
「じゃあ、出るぞ」
コツンッと先輩の手が優しく私のおでこにあたる。
そして、私のシェイクの空までトレーに乗せるとダストボックスに捨ててくれた。
自動ドアへと歩いていく月島先輩―…
「ほん……とに……?」
先輩の後姿を見つめて、そう呟く。
本当に月島先輩の彼女になれたの?
私が月島先輩の彼女になれた……?
月島先輩の後を追いながら、ポケットに手を入れてガラスの小瓶を握る。
また願いが叶った。