初めての恋に溺れる人魚~my first love~
幸せな時間は過ぎるのが早いって言うけど、家までの道のりは本当にあっという間だった。
「ここ―…です」
家の前に着いた瞬間に離されてしまう手。
一気に右手が寂しくなる。
「送って頂いて、ありがとうございました」
そう言って深々と月島先輩に頭を下げたけど、まだ別れたくない。
もう少し一緒に居たい。
そんな気持ちが、
「じゃあ」
と言って去ろうとする月島先輩を引き止めたくなる。恋のパワーは本当に不思議で、何時も言いたい事の半分は言えていない私が、
「あの……!お礼にお茶でも飲んで行きませんか……!?」
とんでもなく大胆な言葉を発してた。