初めての恋に溺れる人魚~my first love~
“ねぇ、”
と心の中で自分に問いかける。
“この出会いは偶然?それとも―…”
もし、この出会いが偶然ではないとしたのなら。
“運命?”
そんな言葉が浮かぶのかもしれないけれども、違う。
真っ先には浮かんでくれない。
それとは別の言葉を浮かべた時、
ザァーッ……
と静かな海風が吹き、太陽が照らす海面が揺れると反射する光の粒が、数時間前に見た桜の花びらに見えた。