初めての恋に溺れる人魚~my first love~

それに―…


「悪い。明日の朝は迎えに行けないから」


別れ際、月島先輩が言った言葉が、余計に不安を煽った。




翌日。


「てっきり今日も月島先輩と一緒かと思った」


登校途中、偶然一緒になった、いーちゃんに言われて、


「うん。今日は迎えに行けないって言われて……」


そう答える私の声も表情も、とても落ち込んでいた。


「どうしたの?何かあった?」


心配してくれる、いーちゃんに、


「実はね―…」


と、月島先輩と以前付き合っていたっていうアヤさんの話をした。


「―…そっかぁ。月島先輩が前にすっごいキレイな人と付き合ってたってハナシ、実は私も聞いたことある。お似合いだったのに、別れちゃったって……」


やっぱり、いーちゃんもアヤさんの事は耳にした事があるみたいで、


「じゃあ、その噂の彼女がアヤさんだったんだね」


と、落ち込む私の心情に合わせるかの様に溜息混じりに呟いた。


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