初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「でもさ、月島先輩は今は海音のことが好きだって言ってくれてるんでしょう?」
それならもっと自信持ってていいじゃん!と、いーちゃんは励ましてくれる。
「うん……」
確かに、好きって言ってくれてたけど、突然アヤさんが現れたから、もしかしたら心変わりされちゃうんじゃないかな……とか、考えてしまう。
「じゃあ、何かあったら遠慮しないで連絡ちょうだいよ!海音は一人で考え込んじゃうトコがあるからさ」
悩み過ぎちゃダメだよ、って、いーちゃんが私の肩を叩く。
大丈夫大丈夫って励ましてくれてるみたいに。
「わかった。ありがとう、いーちゃん」
いーちゃんの優しさを心に感じながら、そう伝えて、それぞれのクラスへと別れた。
窓から差し込む太陽の光が、とぼとぼと自分の席へと歩く私に降り注いでくる。
もう直ぐ五月だけど、夏みたいに太陽が眩しい。
季節の移り変わりを感じながら思う事。
月島先輩に出会ったのは、まだ数日前の出来事なのに、ずっとずっと前の事みたい。
そして、ずっとずっと月島先輩への想いを募らせて悩んでいる気持ちになってしまう。