初めての恋に溺れる人魚~my first love~

私の席の後ろでは、何時もの二人が雑談してる。

また、それも憂鬱だけど、今思い悩んでる事からすれば、ちっぽけに思えてしまう。

不思議だけど、この二人の嫌味にもだいぶ免疫がついてきたのかもしれない。

私の頭の中は、月島先輩の事でいっぱいだ。


「今日は寂しくひとりで登校みたいねぇ」


「月島先輩に飽きられるのも案外早かったり?」


「まぁ、誰かさんみたいなコが月島先輩にちょっとでも相手してもらえただけラッキーだよねぇ」


「ホーント、ホント」


そんな二人の会話をボーっとしながら耳に入れていく。

そっか、私が先輩達とバンドしてること知らないんだ。

それにしても、小谷さん達は月島先輩の過去をどれくらい知ってるんだろう。

ピアニストとして活動してた事とか知っているのかな?

何か嫌だな。

私の知らない事を小谷さん達が知ってるなんて。



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