初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「今日の練習も張り切って行きますし……!」
「あっ」
「えっ……?」
いきなり小栗先輩が大声を出したから、ビクッとしてしまう。
「ごめん。その件なんだけど、本当は今日もまたみんなで響の家に集まって練習を―…って話になってたんだけどさ、俺も陽も用事が出来て今日は自主練って事になったんだ」
「今日は練習ない……んですか?」
「うん。響にも連絡取れたら伝えて欲しいんだけど」
「わ、わかりました」
「ごめん、お願いな。海音ちゃん」
じゃ、と手を振って小栗先輩は歩いていく。
私も小栗先輩に手を振りつつも、考えている事は月島先輩の事。
まだ今日は学校に来てないんだ……って思う。
昨日、初めて一緒に登校しただけなのに。
今朝は一緒に学校に行けなくて、まだ今日は来てないって聞いただけなのに―…
胸騒ぎと、寂しさを感じてしまう。
月島先輩の声が聴きたいよ。