初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「帰ろう……」
そんな独り言を言って、教室を出て行く。
もしかしたら、なんてほんの僅かな期待に賭けた自分がバカみたい。
それにしても、
「どうして―…?」
どうして、月島先輩は今日学校に来なかったんだろう。
元々サボりがちだったって聞いても、気になってしまう。
まだ今日は一言も会話が出来ないままだし、一言でいいから、月島先輩と話したい。
学校を出て、とぼとぼと歩いて帰る私。
すると、ぐいっ、と、いきなり力強く腕をつかまれてしまう。
もしかして―…
月島先輩?
期待を込めて、私の腕を掴んだ人物の顔を確かめてみたけど、
「……っ」
一気に表情がこわばってしまう。