初めての恋に溺れる人魚~my first love~


「こんにちは」


ニヤッとした何処か不快な笑顔で私を見る男性―…

口元にはシルバーのピアスが光っている。

そう、確か―…


「キミ、この間、月島と放課後一緒に居たコだよね?」


「……」


「あれ?覚えてない?ケー番聞こうとしたら月島に邪魔されたじゃん。カワイイコは基本忘れないんだよね。あ、自己紹介がまだだったかぁ?俺ね、商業三年の宝条頼」


〝ホウジョウライ”

そうだ。ホウジョウってヒトだ。


嫌な笑みを浮かべて、じろじろと私を見てくる。

その視線にゾッとなる。

月島先輩とはまた違った、冷酷な瞳をしてる。



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